図書館概論レポート(2021-2022)

設題
公共図書館を一つ選び、レポートを作成しなさい。以下について記入すること。
・図書館の正式名称と所在地
・立地、予算、蔵書数、年間増加数、貸出数、業務別職員数(内、司書有資格者数)、収容座席数
・図書館サービスの種類と内容
・見学先の図書館に期待すること、改良すべき点、全体の感想等

解答

1.レポート作成にあたり

今回のレポートでは、市内の自分が最も利用する図書館を調査対象にした。その上でインタビュー含めどう対応していただくかを図書館の方に相談した。その結果、本レポートの調査時点(2021年末)で、依然コロナ禍にあり、滞在時間等の利用制限があるので、こちらが事前にHPなどで調べた上で、不明な点のみレファレンスとして受けていただく、と言う形となった。そのためインターネット上の資料調査が中心となっている。

また予算等、作成時期・機関等により値が異なるものも何点か存在したが、その際は複数の資料で確認が取れた数を採用した。なお本市の図書館は他に分館として狭山市立狭山台図書館が設置されている。なお中央図書館は直営だが、狭山台図書館では指定管理者制度が導入されている。

2.調査事項

(1)図書館の名称:狭山市立中央図書館
(2)所在地:狭山市入間川2丁目2番25号
(3)立地:西武新宿線狭山市駅下車西口より徒歩約3分、西武バス「中央図書館入口」バス停より徒歩1分
(4)令和3年度当初予算:340,010,000円(前年度比51,940,000円増)
※分館である狭山台図書館も含んでの額。また令和3年度の主な事業として、中央図書館の改修工事費として29,355,000円が計上されていた。
(5)蔵書数:490,433点(うち一般図書298,796冊、児童書172,565冊、郷土資料190,443冊)前年比3,255冊増(うち児童書918冊)
※他に雑誌145誌、視聴覚資料12,743点、点字資料231タイトル、709点を所蔵。令和2年度時点。
(6)貸出数:385,714点(令和2年度)(前年度比マイナス219,930点)
(7)業務別職員数(うち司書有資格者数):常任18名、うち司書有資格者11名。非常勤等20.6名、うち司書有資格者数8.7名※非常勤等の数値は年間実働時間数より算出されたもの。1,500時間で1名として換算
(8)収容座席数:97席※コロナ対応で間引いた数。
(9)図書館サービスの種類と内容
・開館時間の延長毎週水・金・土曜日は17時閉館を20時に延長。
・資料の貸出・返却、予約、リクエスト
・新聞、雑誌(最新のもの含む)の閲覧
・館内OPACの利用、インターネット検索用端末の利用(後者は商用データベース、国会図書館デジタルコレクション図書館送信資料の閲覧、複写が可能)
・閲覧席及び学習席の提供
・ブラウジングコーナーの提供(ソファーでも本が読める)
・パソコン優先席の設置
・移動図書館「さみどり号」の市内循環(図書館から離れた場所でも図書館の各種サービスを提供)
・読書履歴を記録できる「よむぞう読書手帳」の配布
・コピー並びに電子情報のプリントアウトサービス
・団体貸出(学童保育室、保育園、幼稚園へまとまった冊数の貸出)
・近隣6市の図書館の相互利用(その自治体毎に利用券を作り図書を借りることが可能)
・視覚障害者へのサービス(対面朗読、録音図書の貸出、読みたい箇所を調べるデイジー資料貸出
・県立図書館等との相互貸借サービスの利用
・図書館HPでのパスファインダーの提供

3.狭山市立中央図書館への期待、改善すべき点の提起と今回のレポート作成の感想

何よりもまず改善すべき点として情報提供の仕方がある。例えば市のHPでは図書館ページへのリンクはメニュー「市政情報」内「市の施設」内「文化・労働施設」にある。メニューには「子育て・教育」もある。せめてこちらにもリンクを設置しておく必要があるのではと思う。また図書館サービスの全容も把握しづらい。例えば、県立図書館等との相互貸借サービスの利用法はHPにも図書館内でも掲示されていない。そのため実際利用する際、私の場合は、こちらからそのサービス利用を申し出た上で依頼する形である。ネット社会になり多数の機関のOPACが利用可能になった以上、どのOPACにある資料は取り寄せ可能である、ということは明記すべきと私は考える。他にもパスファインダーへのリンクを単なる文字列だけではなく、バナーにするなど目立たせて利用者の目にとまりやすくする工夫なども必要だと思う。

どうしても自分の最寄りの図書館故に求めるものが多くなっているが、勿論、期待もしている。

実際、国会図書館デジタルコレクション図書館送信資料の提供が始まったのは、私が市のHP上にある市長への「私の提案」で導入を要請したのが一つの契機になっている。その後もこのサービスの情報が職員間で共有されておらず、適切な利用ができなかった際も再度要望を出したところ改善したこともある。

今回レポート作成で改めて図書館のことを調べたが、よく見ると司書の採用をきちんとしていたり、サービスの改善などもしていることが分かった。ここから先は利用者として、あるいは将来は同業者としてやりとりを重ねていき共にレベルアップをしていく必要があると感じた次第である。

文字数 2023文字

添付 令和3年度 図書館要覧 狭山市立図書館.pdf
参考文献
図書館 狭山市公式ウェブサイト
https://www.city.sayama.saitama.jp/shisei/shisetsu/bunkashisetsu/library/index.html

令和3年度一般会計当初予算 予算に関する説明書
https://www.city.sayama.saitama.jp/shisei/zaisei/yosan/yosansho_kako/r3yosansyo.files/R3_kyouikuhi.PDF

令和3年度狭山市一般会計予算案(重点事業)
https://www.city.sayama.saitama.jp/shisei/zaisei/yosan/yosansho_kako/r3yosansyo.files/R3_juuten.pdf

令和3年度埼玉の公立図書館
https://www.sailib.net/wysiwyg/file/download/1/3843

以上すべて最終閲覧 2022/05/23

講評

提出お疲れ様です。
設題のポイントをしっかり押さえ、大変よくまとめられています。
詳しく調査したことが内容から伝わってきます。
調査先図書館への所見も非常に首肯できるものです。
この調子で引き続き頑張ってください。
総評: 合格

振り返って

司書課程の講義の中で、実地へおもむき調査(ここではインタビュー)を必要とされるものの一つでした。幸か不幸か本文中にもあるとおり、本レポート作成時もまだ世の中が平常運行とは言えず、インタビュー(聞き取り)も必要最低限で、ということになりました。
それでも、図書館側の方々は趣旨を説明するととても好意的に対応していただけました。あとは虎巻があるのもポイントでしょうか。統計書を読んだ上で(ここでは「埼玉の図書館」)その数字について論じていく、そこが必要になってくるということが調査を進めていくうちに分かります。

あとレポートの構成は、ネット上にある、他の皆さんの回答例が参考になりました。かといって求められるオリジナリティが存在し、この本科のレポートの難易度はちょうど良かったのではないかと今振り返って思います(科目によっちゃ「ネットで調べてもらえば分かる通り」という、それいっちゃ身も蓋もないじゃん、という指導をされるものもあるんですが)。

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