フォトグラメトリで3Dスキャン

最近、ハマっています。

石造物の碑文を写し取るときは拓本を使うのが多いと思います。
私も某市の板碑の悉皆調査のお手伝いをさせてもらったときに、随分採りました。
…でも苦手で(汗。

今の職場にはボランティアさんがグループで拓本の技術向上に取り組んでいらっしゃいます。
しかし、そこにも高齢化の波が押し寄せてきており。
その方々の功績として市内の石造物の悉皆調査を企図したことがあります。
残りわずかで完成となるのですが、高齢化と人員不足によりそれが難航しています。

そんな状況、何とかならんかと思い、取り組み始めたのがこのフォトグラメトリです。
写真を撮って、そこから3Dモデルを構築するものです。

実は存在は大分前から知っていました。
元群馬大、現広島大所属の恩師がこの技術の存在を教えてくれたのです。
でも、細かな作業工程がわからず、放置していました。

そんな時に職場で文化財の3Dモデル作成に関する研修に参加する機会を得ました。
それがきっかけとなり、色々調べて今に至ります。

職場で色々取り組んだのですが、考えたのは、一番大きな石造物の3Dモデルを文字が判読可能なもので作成する、ということでした。
大は小を兼ねる。。ホントはそんなに甘くは無いのですが(汗、とりあえずはやってみようと。
で作ったのがこれ。読み込んだらマウスでグリグリやって視点を変えてみてください。一応碑文が読めるようになっています。
操作参考は以下。
https://3dyasan.com/2020/12/14/pc_mouse/

裏面は若干厳しい所もありますが、拓本を採って得られる結果と同程度の情報は得ることができたと考えています。
この技術、奥深く且つ色々と応用も効くようなのですが、今はとりあえず1)拓本の代替、2)資料写真の追加情報、くらいの使い方ができればいいと思い、ごちょごちょやっているところです。

しかし、この手の技術、私はたまたま研修でその知識に触れる機会がありましたが、まとめられたものは少ない。
ネットの断片的な情報を読みあさっていくのが中心となります。

ただ、内容の細かい部分に関しては、一部の方から疑義が呈されていますが、以下の書籍はとても参考になりました。


体系的に書かれているほぼ唯一の書籍だと思います。
…したがって、ここから先に進むのはまた藪の中を分け入っていくような情報収集が必要となりますが、とりあえずは入口に立てた、と。
今はそんな感じです。

あまり、ここで具体的な仕事のことは書かないのですが、この本の紹介をしておきたいと思ったのと、自分と同じような立場の人がもしいたら少し手がかりになるかと思い、記した次第です。

ちなみに今はこれに加え、iPhone Pro、iPad Proに搭載されている、LiDARによるスキャンなんかも用いられるようになってきています。


この辺の界隈は動きが活発で、Twitterなどで検索すると色々情報が得られます。
そこから芋づる式に、フォトグラメトリに関する情報も得られることが多々あります。

ここに至って、最初にこの技術を教えて下さった恩師は随分先に進んでいたんだな、ということと、最近は情報が揃ってきていてトライできる環境が揃いつつあるなということを強く感じます。

そして、その研修の直前に、何となくフォトグラメトリに取り組んでみようとPCを新調し、何となくiPad Proを購入した偶然にも自分自身で驚いています。
偶然でもチャンスを得たからには活かしていきたいな、という思いです。

図書館司書のレポートの連投と少し毛色の変えた話を、と思い、お仕事の話をしてみました。

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